ものがたりが始まる

今日の成瀬望

朝日新聞の就活の記事より。スウェーデンの複線人生

今年1月5日(水)の朝日新聞の就職活動の記事より抜粋。
(編集委員 安井孝之さんの記事)

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生涯賃金
正社員 2億9000万円
フリーター 9120万円

○従業員1000人未満の会社の求人倍率は2.16倍(リクルート調べ)
数字上は希望者は全て入れるが、参加した社長は
「100人近く面談したが、入ってほしいと思ったのはひとりか2人」と話した。

リクルートによると今春卒業予定の就職希望者(10年4月時点)は1.9%増えたのに、採用予定数(同12月時点)は2.2%減った。

○昨年春に卒業した学生の8万7千人が就職できなかった。今年はさらに増える恐れ。

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この就活パロディーマンガもおもしろかったですが、
「仕事をする」「お金を稼ぐ」ということが、
世の中どんどんとても大変になってきています。
僕も他人事では全くない状況です。

どうしたら、いい仕事に就けるのか?
どうしたら、不自由しないぐらいのお金を稼ぐことができるのか?
その二つを両立させるには、どうしたらいいのか?
日本中の人が考えていると思います。

そして、生きていく上で基本的なこんなことが、
こんなにも大変になって来ているのは、
どうして何だろうということも考えます。
昔はどうだったのか、という話もよく聞きます。


先の1月5日(水)の朝日新聞の教育の記事の続きは、
スウェーデンの教育事情が紹介されています。
ストックホルム=橋本聡さんの記事より)

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○大学生は「就活」に追われない。
○高卒後、19歳で大学に入るのは10人に1人。多くは「なぜ進学するのか」という動機が熟するまで社会で働く。
○企業も卒業年齢にこだわらない。
ストックホルム大学3年のシモン・ヤコブソンさん(23)は高卒後、飲食店で皿洗いやコックをした。スペインで語学を学び、帰国後、夏には白夜となる地方で働く。趣味のハイキングで、ヘラジカがすむ大自然を満喫した。21歳のとき、勤め先のレストランから誘われた。「支店長にならないか」。それも一つの人生だ。でも別の気持ちが頭をもたげた。北欧の豊かな自然も気候変動や開発にさらされている。環境を守る仕事に就きたい。それには大学へ行って学ばねば。
 「高卒時は自分が何になりたいのかわからなかった。2年間、旅をしたり、いろんな人々に出会ったりして人生の目標が見つかった」
○「高福祉高負担」のこの国で授業料は無料。さらに学生には生活費として、低利学資ローンなどで月額約8千クローナ(約10万円)が国から支給される。
○社会人も転職やレベルアップをめざして大学にくる。30代、40代の学生も珍しくなく、平均年齢は26歳と高い。
○国民全体でみれば進学率は日本とほぼ同じ。だが中身はずいぶん違っている。高校→大学→就職という「単線」ではなく、大学を中継点に「複線」人生を歩める。
○「高卒後は親元を離れ、経済的に自立するのが当たり前」という社会習慣もその背景にある。

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「複線人生」って、いいですね。

以前タイの少数民族の村に泊まったとき、
一緒にツアーに参加していた欧米人達がみんな、
1年とか2年以上の長さで旅を続けていて驚いたことがあります。
彼らも、大学を卒業して自分へのご褒美に1年間就職を延期して旅をしているとか、行きたい大学もないし世界を見たいからとりあえず2年旅をしているとか、会社から休みをもらって3ヶ月の旅をしているとか、大学院で法律の勉強をしているけど休学して1年の世界旅行をしているとか言ってたし、
17歳男一人旅、21歳女2人旅、23歳女一人旅、50代女一人旅、20歳男2人旅、みたいな感じで年齢もばらばらで、

そんな彼らを見て「自由だな〜」と思ったことが僕もあります。

そういえば、イギリスの大学を以前見学したときも、
おじさんおばさんみたいな人が校舎の中にやたら多いな〜と
思ったこともあります。